今回紹介させていただくのは
禁断の恋をした女神
アルウェズ
です。
ケルト神話に興味がある方はぜひ一読してみてください。
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ケルト神話のアルウェズとは?
アルウェズはケルト神話における女神の一柱で、アイルランド神話のディアン・ケヒトという技術と医療の神の一族です。
~アルウェズのプロフィール~
- 欧文表記: Airmed
- 別名: Airmid
- 名前の意味: 節度
- 種族: トゥアハ・デ・ダナーン神族
アルウェズの役目
アルウェズは薬草を集める能力を持ち、「傷ついた神々をよみがえらせる魔法の泉」を管理する役目を持ちます。
戦争が始まれば、傷つき、死亡した神を泉に沈めてよみがえらせ、また戦いに送り出すという軍医?衛生兵?のような大切な役目を持ちます。
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人間の医療技術とアルウェズの関係
神話では、人間の医療技術は神々に及ばないと言われています。
その原因が「アルウェズの禁断の恋と、一家の内紛」です。
~父の嫉妬~
トゥアハ・デ・ダナーン神族がフィル・ボルグ族という先住民族と戦っていた時、神々の王の「ヌァザ」の腕を敵の王が切り落としてしまった。
アイルランドの王者は「絶対に五体満足である必要がある」という掟があったので、アルウェズの父「ディアン・ケヒト」は銀の義腕を作成。
しかし。息子「ミアハ」が血が通う肉で出来た新しい腕という、父の作品よりも非常に優れたものを作り上げてしまった。
王はその腕を喜んだが、父は嫉妬し、怒りのあまり、息子のミアハを殺害してしまった。
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アルウェズの禁断の恋物語
殺されてしまったミアハですが、ここまでの物語ではアルウェズが関係していません。
ですが、ミアハに対してアルウェズが抱いていた感情があります。
それが「恋」です。
~ミアハの恋と供養~
アルウェズは実の兄であるミアハを愛していた。
彼の死を悲しんだアルウェズは、墓で薬草を育て、彼女の管理する魔法の泉に移植しようとした。
だが、父はそのことを絶対に許さなかった。
アルウェズに用事を与え、彼女が離れている隙に薬草と雑草を混ぜてしまった。
この事件で、彼女はどの草にどのような魔力があるのかが分からなくなってしまった。
彼女の知識が失われてしまい、人を助けるための知識もなくなってしまったので、人々の苦しみは増すことになった。
アーサー王伝説に登場
そんな魔法の泉の守護神でもあるアルウェズは、アーサー王伝説に登場する「泉の貴婦人」のモデルになったといわれています。
この物語では「ローディーン」という名前で、バラントンの泉を守る黒騎士の妻です。
このバラントンの泉はフランスに実在し、伝説では以下の特徴を持つ
- 水は大理石よりも冷たく、泡立っている
- 雨を降らせる力を持つ
- 狂気を癒す
また、このほかにも、魔術師マーリーンが妖精ヴィヴィアンと出会った泉でもあります。
キリスト教以前の神秘に満ちた場所としても有名です。
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まとめ: アルウェズはこんな女神様
今回は医術に関する女神アルウェズについて紹介させていただきました。
どの神話でも兄弟愛というのは美しくも禁断の恋であり、それゆえに起きた悲劇というのも多いです。
ですが、父の薬草と雑草をごちゃまぜにしたのは絶許ですね。
というわけで今回のまとめ
- アルウェズはケルト神話における技術と医療の神の一族
- どんな傷でも癒す魔法の泉の管理者
- 兄のミアハは、父よりも優れた義腕を作成
- 父は嫉妬し、兄を殺害
- アルウェズは兄の墓に薬草を植えようとした
- 父の妨害で、薬草に対する知識を失った
- アーサー王伝説の「泉の貴婦人」のモデル