今回お話するのは
ケルト神話の一部
アイルランド神話
です。
ケルト神話の中では最も多くの話が残るといわれています。
アイルランド神話とは?
アイルランド神話はケルト神話の中の一部となる神話です。
イギリスの西に浮かんでいるアイルランド。
ここに古くから伝わる神話であり、最も最近まで神話が語り継がれてきた地方。
最も多くの神話が残されていることでも有名で、
ケルト神話=アイルランド神話
こう言えるほど、アイルランド神話がケルト神話の多くを占めている。
アイルランド神話の原典
アイルランド神話の資料は11~14世紀ごろに書かれた書物が、原典とされています。
割と近年なのには理由があり、ケルト神話を後世に残してきた「ドルイド(ケルト人のお偉いさん)」という知識層の人。
彼らが「歌や詩としてケルト神話を語り継いできた」ことが原因です。
アイルランド神話を文字として記録してこなかった為、後にキリスト教の宣教師が話を聞いて書物として残した。
この時期がだいたい11世紀ごろからだからです。
そんな原典は10冊以上といわれていますが、
レンスターの書 | 1160年に作成されたという原典。 45ページぐらいが欠損していますが、総ページ数が1300も超えるアイルランド神話の原典で最も分量が多い文献。 |
赤牛の書 | 1100年ごろに作成された原典。 神話の原典として利用された文献の中では最も古い? 書名の由来は「6世紀に実在した宣教師「聖シアラン」が飼っていた赤い牛の皮から作った「牛皮紙」に書かれている」という伝説から |
レカンの黄書 | 1401年に作成されたという総ページ400を超える写本。 保存状態がよくて当時の本の形で現存する神話集。 レカンの書という作者も内容もことなる神話集がある。 |
バリーモートの書 | 1390年ごろに作成された原典。 アイルランド北西部のバリーモートという町。 そこの近くで執筆されたので、この名前となった。 各時代の貴重な神話や言語、法律、家系図などが記されています。 |
という4つの重要な原典が残っています。
アイルランド神話: 島の歴史?
文字として記録が残されてこなかったアイルランド神話。
ですが、「すべてこのアイルランド島で、古い時代の起こった出来事」が前提とされています。
つまり、アイルランド人の歴史そのものが、アイルランド神話となっているというわけです。
民族の歴史に神話を組み込むこと自体は珍しくはないですが、膨大なアイルランド神話を歌や詩で伝承してきた方たちは凄まじいというか・・・・。
それを全部まとめたキリスト教の宣教師も凄まじいものですが・・・・。
アイルランド神話は主に4つの時代
ケルト神話には大まかに、「アイルランド神話」や「ウェールズ神話」などが分類されています。
その中のアイルランド神話には、さらに4つの神話(4つの歴史)に分類されています。
トゥアハ・デ・ダナーン神話 紀元前20~13世紀頃 | アイルランド人が信仰した神の一族「トゥアハ・デ・ダナーン」。 彼らを主役とした、人間に敗北するまでの神々の戦いのお話 |
アルスター神話 紀元前1世紀頃 | アイルランド島に誕生した神の血を引き継ぐ「クー・フーリン」。 群雄割拠のアイルランドにおける彼の戦いを描いた神話。 |
フィアナ物語 3世紀頃 | アルスター神話から役300年後のお話。 アイルランドの王に仕えた「フィアナ騎士団」と団長「フィン・マックール」の恋と戦いを描いた神話です。 |
王の神話 3~11世紀頃 | フィアナ神話時代以降のお話。 アイルランドの王となった歴代の「至高王」に関する神話。 |
主にこの4つの神話の時代で、アイルランド神話は構成されています。
まとめ: アイルランド神話はこんな神話
今回はケルト神話の中で大部分を占めているという、アイルランド神話について紹介させていただきました。
文字でなく伝言ゲームのように語り継いでいくと、途中で話の内容が変わってしまいそうです。
その辺りは大丈夫なんでしょうかね?
という訳で今回のまとめ
- アイルランド神話はケルト神話の一部
- 最も数多くの神話が残されている
- 「アイルランドの歴史=アイルランド神話」という前提
- 4つの神話「トゥアハ・デ・ダナーン神話」、「アルスター神話」「フィアナ神話」「王たちの神話」がある
- ドルイドが歌や詩で伝えてきた
- キリスト教の宣教師が11世紀頃に書き記したものが原典
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