今回お話するのは
慈愛の女神様
デア・マトローナ
です。
デア・マトローナとは?
デア・マトローナはケルト神話における神の1柱。
各家庭にも飾られるほど、愛された女神であったとされる。
~デア・マトローナのプロフィール~
- 欧文表記: Dea Matrona
- 別表記1: ラ・コート・マル・タイユ
- 別表記2: ブレウノール
- 初登場: キャクストン版第7巻27章
誰にでも親しみ深い女神で、陶器の像として鋳型が量産。
神殿に奉納された石像や石碑だけでなく、1000点以上の遺物があるという。
石像「マトローナ」
最初に既述した各所で発見されたデア・マトローナの石像。
全てが同じというわけではないが、ほとんどの場合
- 玉座に腰かけた女性
- ゆったりとしたローブを着ている
- 首より上でまとめられた年配の女性
- 果物、小さな犬を膝に抱えている
- 1~3人の子供と一緒
- 乳飲み子の場合は、授乳の為に半裸
- 慈愛の表情
といった、「豊穣」や「母神」としての要素が込められた石像となっている。
大いなる母「マトローナ」
ガリア地方(フランス)では、女神の名前は以下のような意味を持っている。
- デア: 女神
- マトローナ: 大いなる母
このことから、女神が「全ての母」「母性」として扱われることもある。
また、マトロナというガリア語としての名前の側面としては、ケルト人の母なる女神でもあり、
などと同一視されることもあるとのこと。
そのため、各地ではデア・マトローナへの奉納品と思しきものが見つかっている。
- イングランドの「マトレス」
- ゲルマニアのマトローナ
- ガリシアのマトローナ
- ウェールズでは「マドロン」
などと、明記されている。
複数形「マトロナエ」
奉納された石碑には、女神をしばしば「マトロナエ」と複数形で記されていることもある。
それに合わせるように、3人のマトローナが並んだ石像も発見されている。
この場合の外見は
- 髪はまとめず流した女性
- ローブを着ている
- 果物や穀物を手にしている(豊穣を意味する)
- 光の輪のような頭飾りを被っている
- 時々赤ん坊を手にしている
といった具合で描かれている。
イングランドの北西カンブリア州から出土した三女神バルカエは、「出産と新生児を見守る三女神」でもある。
そして、この女神は「マトリブ」と呼ばれており、マトロナエとも深い関係があるとみられる。
まとめ: デア・マトローナはこんな女神
今回はケルト神話の女神「デア・マトローナ」について紹介させていただきました。
子供を見守る母なる女神であり、様々な神の母でもあるとされる。
どの神話でも似たような話があるので、人類が神格化するものって行き着く先は同じになるんでしょうね。
という訳で今回のまとめ
- デア・マトローナはケルト神話における女神
- 子供を愛する「大いなる女神」
- 玉座に腰かけ、ゆったりとしたローブを着ている
- イギリスのモリガンや、ダヌとも同一視される
- 3人のマトローナが並んだ石像も存在する
- イングランドの三女神バルカエと関係があるとされる
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