今回お話するのは
本当に悪い騎士なのか?
アグラヴェイン
です。
主君のために働いても、後の世で悪者にされるのはなのはなんか心に来ますね。
アグラヴェインとは?
アグラヴェインはアーサー王伝説における円卓の騎士の一人。
アーサー王が王として即位した直後から名前が出ている最古参の家臣です。
~アグラヴェインのプロフィール~
- 欧文表記: Agravain
- 母親: マーゴース
- 初登場: キャクストン版第7巻25章
この他にも
- 円卓の騎士の冒険とロマンス
- アーサー王の死
などで活躍をしています。
アグラヴェイン: ガウェイン兄弟の一人
ガウェイン4兄弟はアーサー王の親族マーゴースの子供たちであり、アーサー王の甥っ子たちに当たります。
- ガウェイン
- アグラヴェイン
- ガレス
- ガヘリス
の4人の円卓の騎士ですが、「アーサー王の死」においてガレス以外は憎まれ役で、いい扱いではありません。
特に、アグラヴェインにおいては「何もかもが卑しい騎士」と最悪な呼び名です。
アグラヴェイン: ランスロットを恨んでいた
アグラヴェインは、円卓最強の騎士として名声を集めたランスロットをかなり憎んでいました。
そこで、同じようにランスロットを恨んでいた異父弟のモードレッドと共謀し、ある計画を立案しました。
それは、ランスロットとアーサー王の王妃グィネヴィアが不倫していることを利用し、
「ランスロットと王妃グィネヴィアの不倫現場を押さえて、ランスロットを失脚させよう」
という計画でした。
この計画にアグラヴェインは兄弟たちを引き入れようとしましたが、
- ガウェイン: 義理&親友
- ガヘリス: 敬愛
- ガレス: 敬愛&義理(騎士に任命してもらった)
ということから、兄弟は誰一人として計画には参加しませんでした。
最終的に、アグラヴェインとモードレッドを含む13人の騎士で計画を実行しました。
アグラヴェイン: ランスロットの逆上
当然、ランスロットとグィネヴィア王妃は本当に不倫していたので、計画自体は成功しました。
証拠の現場を押さえることが出来ましたが、そのことに逆上したランスロット。
不倫現場の証拠を揉み消そうと14名の騎士に襲い掛かった。
そして、アグラヴェインを含めた騎士は殆ど殺害され、事件から逃れることができたのは「モードレッド」だけでした。
アグラヴェインを含む12名の騎士はランスロットに殺害されてしまったのです。
アグラヴェイン: 本当に悪者?
この「アーサー王の死」の文には
「アグラヴェインとモードレッドの邪悪な騎士によって、世の中の騎士道の華が破壊され、打ちのめされた」
といった、かなり強い批判文が存在しています。
円卓の騎士は彼らのせいだという話です。
ですが、これを読んで不可解に思いませんか?
「主のアーサー王の大切な世継ぎを産む王妃と不倫関係にあったのはランスロット」
であり、罪人は普通に考えたらランスロット側です。
ランスロットは不倫し、それが発覚すると逆上して事件を揉み消そうとしたんです。
「私怨があっても主君アーサー王の為、危険を冒してでも不倫現場を押さえた騎士」
それがアグラヴェインという騎士です。
まとめ: アグラヴェインはこんな円卓の騎士
今回はアグラヴェインという円卓の騎士について紹介させていただきました。
イギリスのお話ではアグラヴェインは「優秀で実直な騎士」であり、フランスのお話で人気者であったランスロットの踏み台にされた運の悪い騎士でもあります。
という訳で今回のまとめ
- アグラヴェインは円卓の騎士の一人
- 憎まれ役の多いガウェイン4兄弟の次男?
- ランスロットを恨んでおり、モードレッドと一緒に失脚計画を立案
- 13名の騎士と共に不倫現場を押さえた
- ランスロットにモードレッド以外の12名は殺害された
- 何もかもが卑しい騎士という悪評がある
- 「堅い手のアグラヴェイン」や「優秀で実直な騎士」という呼び名もある
- 国のお話によって見られ方は変わる
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