【維持神ヴィシュヌ】世界を維持するインド神話の神様とは?

今回紹介するのは

世界の維持神

ヴィシュヌ

です。

インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。

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 インド神話のヴィシュヌとは?

 インド神話のヴィシュヌ神とは?

ヴィシュヌはインドの宗教「ヒンドゥー教」における主要神です。

世界を維持しているから「維持神」とも称され、インド神話において最も重要な神様の1柱です。

~ヴィシュヌのプロフィール~

  • 名前の意味: 「広がる者」「行き渡る者」
  • 別名: 多数
  • ヴァ―ハナ(乗り物): ガルダ(巨大鳥)
  • 配偶神: ラクシュミー
  • 出典: リグ・ヴェーダ

ヴィシュヌ神の妻

維持神ヴィシュヌの妻は複数存在しています。

ヴィシュヌが化身した姿の妻も含めると

などなど、有名な女神ばかりです。

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ヴィシュヌ神の姿と役割

ヴィシュヌ神の姿と役割

そんなヴィシュヌ神の外見は以下のようになっています。

  •  4本の腕を持つ
  •  1本目: ホラ貝
  •  その他の腕には「円盤状の武器スダルシャナ」、「棍棒カウモダキ」、「蓮の花」などを持つ
  •  ナガンダという剣、シャールンガという弓

という外見を持ちます。

そして、彼の役目は「世界を維持」するだけではありません。

世界を維持しつつ、繁栄させる役目を持ちます。

少し具体的に言うと、ヒンドゥー教では”正義”や”道徳”を意味する、「ダルマ」によって世界を維持しています。

もし世界に悪徳が溢れ、ダルマが失われてしまうと、地上にヴィシュヌ神の化身が現れ、世界にダルマを取り戻します。

  1. ダルマを失うと
  2. ヴィシュヌ神の化身が現れ
  3. 原因を取り除き、また「ダルマ」を取り戻し
  4. 世界を維持し続ける

これがヴィシュヌの役割となります。

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ヴィシュヌは元々ローカルな太陽神

ヴィシュヌは元々ローカルな太陽神

元々インドにおいて、司祭階級バラモンの権力が強かった古い時代がありました。

その紀元前9世紀ごろまでは、ヴィシュヌはそこまで重要な神ではありませんでした。

むしろ、太陽神の1柱にしかすぎませんでした。

では、なぜ維持神という重要な立ち位置を獲得することが出来るのか?

~維持神になったヴィシュヌ神~

紀元前9世紀ごろまでヴィシュヌ神は太陽神の1柱でした。

ヴィシュヌが最高神の地位を手に入れた原因は、ヴィシュヌの信者が原因と考えられています。

紀元前7世紀頃、インド北部の実在の英雄を神格化した「クリシュナ」の信仰が盛んになっていました。

ですがそのクリシュナを信仰していた宗教は、インドの中では伝統を持たない新興宗教でした。

そこで、ヴィシュヌの信者たちは「信者を取り込む」ために「クリシュナはヴィシュヌの化身」という設定を作りました。

この設定を活かして、クリシュナ信者たちを取り込み、「ヴィシュヌ=クリシュナ」という信仰がインド北部の最大の派閥となりました。

この出来事があり、クリシュナとヴィシュヌの地位が高まっていきました。

ヴィシュヌ神が転生した姿10選

ヴィシュヌ神が転生した姿10選

インド神話では神が地上での異変などを解決するため、人間などに「化身」として生まれてくることがあります。

普通に考えたらその姿でくればいいんでしょうが、とんでも神話のインド神話の神がそのまま地上に降りてきたらヤバいでしょう・・・・。

今回はそんな維持神ヴィシュヌの代表的な10人の化身を見ていきましょう。

神魚マツヤ 角を生やした金色の魚

大洪水が発生し、地上の全ての命が絶えることを予言。

マツヤを助けた人族の王マヌに巨大な船を造らせるノアの大洪水的な物語がある。(このマヌが人類の祖先となった。)

人獅子ナラシンハ ライオンの頭と人間の胴体を持った戦いの神。

不死身の悪魔であるヒラニヤカシプを殺すために、いきなり柱の中から出現した。

神猪ヴァラーハ 悪の魔人ヒラニヤークシャが大地を海底に沈めた時、天界から遣わされて牙で大地を支えた

その後1000年の戦いの末、ヒラニヤークシャを倒して世界を救った。

神亀クールマ 島よりも大きい亀。

神々が霊薬アムリタを作るために海をかき混ぜることになった。

その際、海中に潜り、海をかき混ぜる際に使われた棒(マンダラ山の山頂)を甲羅で受け止めていた。

英雄パラシュラーマ 斧を武器とする人間。

司祭階級であるバラモンと統治者階級であるクシャトリヤ間の争いに介入し、バラモンを勝利に導いた

ラーマ王子 英雄物語「ラーマーヤナ」の主人公

魔神ラーヴァナに攫われた最愛の妻シーターを救うため、ラーヴァナとの戦争に挑んだ王子。

英雄クリシュナ 黒い肌と金の腰布を身に着けた少年の神。

英雄物語「マハーバーラタ」の主人公アルジュナの支援者

英雄バララーマ 8番目の化身であるクリシュナの兄

強力なアスラを打ち倒し、大きな河を農具一本でかき回す逸話がある。

矮人ヴァ―マナ 僧侶でもある小人の少年。

悪しき王を騙し、世界の土地を全て奪い返して神々の手に取り戻させた英雄。

最後の化身カルキ 864万年おきに訪れるという悪徳の時代「カリ・ユガ」。

この最後に出現する英雄。

ありとあらゆる悪や不法、不道徳を滅ぼして正しい教えを復興させる役目を持つ。

時に人間として生まれ変わるヴィシュヌですが、その力はある程度抑えた状態です。

なのに、その逸話はドラゴンボールなみです。

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ヴィシュヌ神の化身した姿の4つの物語

ヴィシュヌ神の化身した姿の4つの物語

そんなヴィシュヌの化身した姿の伝説は多々あり、その多くがドラゴンボール並みの逸話ばかりです。

そんな中でも4つ

  1.  マツヤ
  2.  ナランシハ
  3.  ヴァ―マナ
  4.  カルキ

について紹介させていただきます。

1: 魚になって洪水警報をした(マツヤ)

1: 魚になって洪水警報をした(マツヤ)

まずは1つ目の魚になって洪水警報を行った逸話です。

この物語はノアの大洪水のような物語に似ていますね。

~ 魚になって洪水警報 ~

インド神話では人類は一度生まれ出て、世界に広がり洪水によってほぼ全滅した。

洪水が起きる少し前、ヴィシュヌは小さな魚の姿でとある男性「マヌ」の前に現れた。

その小さな魚は水瓶に捉えられ、中で泳ぎながら「河に流さないでほしい」と訴えた。

マヌはその願いを聞き入れると、マツヤはすくすくと成長し、角のある巨大な魚となり、海に帰っていった。

最後にマツヤは「大洪水が起きるので、船を用意し、草木や種子、聖仙、多くの動物を積み込んで船に乗り、船を私の角に結び付けなさい」と命令した。

マヌは言われたとおりに船を造り、準備すると、大洪水が世界に起きた。

マツヤはマヌたちが乗った船を安全な場所まで引いていき、そこで新しい生活を始めるように命じた。

マヌたちはそこで新たな生活をはじめ、その後全ての人類の祖先となった。

2: ライオン頭で悪魔の退治(ナラシンハ)

2: ライオン頭で悪魔の退治(ナラシンハ)

2つ目は4番目の化身となるナラシンハの物語です。

この物語は「殺されることのない悪魔」を殺すための物語です。

~考えよう 最強の悪魔退治~

最悪な悪魔が誕生した。

それが、ヴィシュヌの第3化身のヴァ―ラハが殺害したアスラの弟「ヒラニヤカシブ」だった。

ヒラニヤカシブは最高神ブラフマーと交渉し、

どんな武器にも、人間、獣、神の誰にも、家の内でも外でも、昼でも夜でも、地上でも空中でも、自分は殺されない

という「僕が考えた最強の悪魔」を体現した無敵の肉体を手に入れてしまった。

しかし、ヒラニヤカシブの息子は兄の仇であるヴィシュヌ神を信仰していた。

ある日の夕方、「ヴィシュヌ神はどこにでもいる」と主張した。

当然怒ったヒラニヤカシブは「ならばここにもヴィシュヌがいるのか!!嘘つきめ!!」と、宮殿の入り口の柱を指差した。

すると突然柱が割れ、中からナラシンハが現れた。

最強の悪魔に対し、ナラシンハは以下の方法で八つ裂きにした。

  • 昼でも夜でも駄目   → 「夕方」に
  • 家の内でも外でも駄目 → 「玄関」で
  • 人間、神、獣では駄目 → 「獅子人」が
  • 地上でも空中でも駄目 → 「膝の上」で
  • 武器では駄目     → 「素手」で

つまり、「夕方に宮殿の玄関で、獅子人の姿で膝の上に乗せ(もしくは膝の上に乗り)素手で引き裂く」という方法であった。

3: 3歩で世界を跨ぐ(ヴァ―マナ)

3: 3歩で世界を跨ぐ(ヴァ―マナ)

5番目の化身「ヴァ―マナ」のお話です。

この物語は「神々が悪魔に敗北し、全ての土地を奪われた」ところから始まります。

~3歩がデカかった~

神々はアスラの王マハーバリに完膚なきまでに敗北した。

そして、全ての土地を奪い、世界を実質支配していた。

そこで、ヴィシュヌは第五の化身「ヴァ―マナ」として生まれ変わり、物乞いの少年に変装してマハーバリの前に現れた。

マハーバリは「何か欲しいものがあるのか?」と問うと、彼は

自分が歩いた3歩分の土地が欲しい

と伝え、マハーバリもその程度ならと了承した。

ヴァ―マナが一歩足を踏み出すと、彼の体が急速に巨大化し始めた。

1歩目: 地上の全てを跨いだ

2歩目: 天と空を跨いだ

マハーバリはヴァ―マナの正体に気が付き、その偉大さに感服した。

そして、3歩目の置き場所として自分の頭を差し出した。

ヴィシュヌはその誠意に免じ、地下世界の一部は取り返さずにマハーバリの領地にした。

こうして、ヴァ―マナは武力を一切?使うことなく世界を取り戻した。

4: 最後の化身(カルキ)

4: 最後の化身(カルキ)

そして、最後の化身とされるカルキ。

ヴィシュヌのある意味最後で、本来為さねばならない仕事をこの化身がおこないます。

~世界の調律~

このカルキは現世にはまだ表れていない。

未来に現れると予言されている。

インド神話では、世界は時間が経つにつれて悪徳に満ち溢れ、人々は弱弱しくなると信じられている。

この人間達の弱体化と悪の隆盛が極限まで高まると、ヴィシュヌ神はカルキとして生まれ変わります。

カルキは司祭階級「バラモン」の子として誕生し、あらゆる悪しき存在を剣で打ち滅ぼす。

そして、偽の宗教を滅ぼし、人々に真の教えを説き、世界を正しい在り方へと導く。

カルキの名前の意味は「汚物を破壊する」ということから、徹底的に悪を滅ぼすという強い意志を感じます。

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まとめ: ヴィシュヌはこんな神

まとめ: ヴィシュヌはこんな神

今回はインド神話において、もっとも大切な主要な神様の1柱ヴィシュヌ神を紹介させていただきました。

やはりインド神話に出てくる神様だけあって、ドラゴンボールみたいな話が多いですね・・・・・。

というわけで今回のまとめ

  •  ヴィシュヌはインド神話の最高神の1柱
  •  4本の腕を持ち、それぞれ複数の物体を持つ
  •  元々太陽神の1柱であった
  •  信者確保の為に最高神の1柱となる
  •  有名な10人の転生した姿がある
  •  ノアの大洪水的な物語がある
  •  最強の悪魔をその裏をついて殺害
  •  たった3歩だけ歩いて世界を悪魔から奪い返した
  •  世界の最後に、全ての悪を滅ぼして正しい方向に人を導く
  •  有名な妻だけで6人もいるハーレム神様
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